ぼくらが夢見た未来都市 (PHP新書 676)
前書きは上海万博の話からスタート。
で、内容はというと、万博がらみでは丹下健三とか、黒川紀章とか、菊竹清訓とか、磯崎新とかの日本の建築家の話とか、メタボリズム、とか、まあそんなようないつもの話。ヤノベケンジも。
あとSFとか漫画とか映画における未来都市とかでは、参考文献多数。
小松左京「空中都市008 アオゾラ市のものがたり」
アイザック・アシモフ「鋼鉄都市」
J・G・バラード「至福一兆」「大建設」
ロバート・シルヴァーバーグ「内側の世界」
光瀬龍「百億の昼と千億の夜」
等々。
万博が終わって、未来が退屈になってしまったあたりの話は第8章に述べられている。
「ニューロマンサー」とかのサイバースペースの話もここ。
第9章は愛知万博の話なのだが、大阪万博に関する痛烈な批判が興味深い。
建築史家の村松貞次郎の引用だが、
「情報社会と称し、通信と制御と予測の技術の輝かしい登場を謳歌するEXPO'70に対する人間の圧倒的な拒絶反応であり、コンピュータに対する嘲笑であり、科学や技術の粋を凝らしたと称する装置や設備に対する苛酷な、非情な人間の力による破壊テスト」である
とか、まあ、例の、想定をはるかに超えた数の入場者によるバカ騒ぎのことを言ってる訳です。トイレはつまって使えないし(^^;
今のインターネットも同じだな。
そして「おわりに」では、上海万博やドバイを例に、
覚めることのない夢は、普通、悪夢と呼ばれる。悪夢のような未来都市の時代に、ぼくらは今、突入しようとしているのである。
と結ばれる。
あ、そうそう、黒川紀章先生の、例の亡くなられる直前になって立候補したりした、その辺のエピソードについても、第3章に詳しく書かれています。納得できました。
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未来都市の百科事典
続編を作るための序章かも昭和ちびっこ広告手帳2 大阪万博からアイドル黄金期まで
大阪万博の広告の特集が載っている、というので買ってみた。
んだが、万博のは数ページ載ってるだけでしたね。他は、お菓子とかプラモデルとか人形・おもちゃとか。
まあ、当時私も子供だったのでどこかで見たことのあるような広告ばかり。な〜んとなく憶えてるなーって感じです。
スペクトルマンの広告とか。。
森田健作とか、アグネス・チャンとか、郷ひろみとか、朝丘めぐみとか、天地真理とか、当時のアイドルもたくさん。
時代背景の分析がまえがきに書かれている。
「Oh!モーレツ」と「ニャロメ」こそは、共に昭和四四年の前半に忽然と現れ、当時のちびっこたちに<性衝動>と<反抗心>を非常にポップな形で伝授した二大象徴ではないでしょうか。まさに猛烈な勢いで伝播流行したこの二つは<ませガキ>なる児童像をも生み出します。
ませガキねー、あったよなそういう言葉。まあ、漫画を読んだ世代が成長して大人になっていって、境目がはっきりしなくなって、大人の世界が子供の世界にも入ってきて、というような話かな。
万博の広告はなんといっても冒頭の「エポック社 ジャルパックドール」プラスチックケース入り一人350円(全12体)と「中嶋製作所 スカーレットちゃんの万博エスコートガイド」1000円でしょうね。背景はスイス館か。
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とあるので申し込みたくなるほどだ(笑)
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待望の第2弾!!
ウィスパーカード、空手の通信教育、マリー・オリギン……and MORE!!!堺屋太一の青春と70年万博
大阪万博の実現までの話もかなりの驚きだが、それよりこの人の生い立ちの部分に激しく驚愕した。
いやー、生まれが違うってこういうことなんだ〜みたいな(^^;
金持ちになる人とそうでない人の決定的な違い、みたいな。
すごいよ。父親が弁護士で第二夫人がいたとか、子どもの頃から大金を預けられてそれで自分のことは全て自分で金をやりくりしてやってたとか、兄は東大で、姉は静岡県の天竜市長と結婚して、自分も東大を目指して二浪したとか。
なにより予備校時代のドイツ人女性ベートさんとの出会いがすごい。ベートさんはナチスの指導的な立場にいた人で、戦後だからドイツに帰る訳にいかない、信じられるものは資産だけ、私は天涯孤独、という人で、堺屋太一に資産運用を教える。「土地を買いなさい」とか「株の購入を勧めた」とか、ニクソンのドルショック直前に「全財産で金を買いなさい」とか、さらにはオイルショック前には「油田を買うんです」とか。
すごい、すごい。資産を運用するということは経済について知り、未来を予測することだというのを体現している。
就職で迷った時は、迷うなら進路変更が可能なところにまず行け、とアドバイスされ、終身雇用の民間企業より、省庁のエリート官僚の方が途中からさまざまな分野に転身していく人が多い、ということで通産省に入ったそうだ。
通産省の新人しごきの話もおもしろい。稟議書を書けと言われて提出したら、この文章は4通りに解釈できる。4通りに書き分けてみろ、と言われて徹夜。翌朝には3つ目まで分かったが4つ目がわからず徹夜二日目。
三日目に上司が文庫本をもってきた。川端康成の「伊豆の踊子」である。ページを開くと傍線が引いてある。
「この文章は十一とおりに読めるんだ。その十一とおりを書き分けてごらん」
七つまではわかったが、その先がわからない。
結局、土日も含めて、一週間、役所に缶詰になっていた。
これがその当時の官僚の、部下のしごき方であった。
唖然としましたな。伊豆の踊子だもんねえ、しかも11通り(笑)。
大阪万博については自腹で400万円出してそれで資料を作って、結果的にそれで万博が実現した(その400万円は返ってこなかった)とか、佐藤栄作総理の寛子夫人が女性週刊誌に「推薦の独身男性」というような記事で小泉純一郎と堺屋太一を出して、ラブレターがたくさん来たとか、丹下健三と岡本太郎が取っ組み合いの大げんかをしたとか、そんな話が載っている。
どうする?上海万博行ってみる?
1968年「日本の万国博覧会―その意義・計画・効果 (1968年)」(東洋経済新報社)
1970年「万国博と未来戦略―ビジネスマンのためのガイド (1970年)」(ダイヤモンド社)
アントン・シェンチンガア「金属―小説 (昭和18年)」







